最近、「レジリエンス」という言葉をよく聞きますよね。
でも、何かよく分からないので調べてみると、「レジリエンス」とは、元々は物理の分野で使用されていた用語で、「弾性」を意味するものでした。しかし、それが心理学などでも応用されるようになり、「困難から立ち直ることができる回復力」「困難に適応して復元する力」という意味を持つようになり、今や一般的に、「失敗体験や逆境が起きた際にそこで諦めずに立ち直る力」等と解釈されているそうです。
今の世の中は、何かと複雑で馴染みにくい環境で、ストレスが溜まりがちなので、心身ともにストレスが大きくなるのですが、この心理的ストレスに対抗できるものとして「レジリエンス」が重要であり、これを高める方法としてABCDE理論というものが提唱されているらしいのです。
ABCDEとは次のような頭文字から来ています。
・Activating events=出来事
・Beliefs=考え方・捉え方
・Consequences=Bに影響されて起こる感情や行動
・Dispute=非合理的なBに対して自問すること
・Effect=Dの結果もたらされる効果
詳しいことはネットにたくさん紹介されていますから納得できるものを探してみてください。
愁伯は、この中で重要なことはDだと思っています。
例えば、ある重要な仕事を任されて失敗し、上司から厳重なお叱りを受けて(A)、『また会社に迷惑をかけ上司を怒らせてしまって、俺って駄目な奴だな。』と思い込み(B)、『周囲に迷惑をかけるからもう仕事辞めよう。』と落ち込んでいる(C)としましょう。(実際にしばしば起きることです。)この時、『もう仕事辞めよう。』から、『もうひと踏ん張り頑張ってみよう!』(E)にするためにDがとっても重要なのです。
もし、周囲が、以前、「残念な上司編」で紹介したような上司や環境なら、そこで紹介したような対応をすることが有効ですが、そうでなはなく、問題とまでは言えない普通の職場や上司なら、『もうひと踏ん張り頑張ってみよう!』という気概をもって改善策を実行してみることは人生では往々にして大切です。
もともとその仕事に対する使命感を強く持っているのならば、その仕事を完遂してその仕事の目標を達成し目的を果たすことがその人のレーゾンデートルなので途中で投げ出すことはまず無く、殆どが、自分なりの(D)から(E)に足を踏み出せますが、責任感が旺盛な人でも先に述べた例え話の状況には度々直面するものなので、(D)を行う方法を知っておくことが有効だと思います。
方策はいろいろとあるでしょうが、愁伯の経験上から言えば、(D)を行う気持ちを持つことがまず大切で、そうなるための簡単な金言を紹介します。
それは、「理由なく困難は訪れない。克服するためにやってくる。」、「過ちては即ち改めるに憚ること勿れ。過ちて改めざる之を過ちと謂う。」です。前者は何方の言葉であったか忘れてしまいましたが、後者は孔子様の言葉です(今のHINAでは死語かもしれませんが、)。失敗して挫けそうになった時にこの言葉を口に出せば、不思議とポジティブシンキングが始まります。これを乗り越えたら俺はまた一つ成長できるのだと思えるのです。
すると、「会社は今までにはこんな状況は何度も経験してきたはずだろう。だから、それを知っている上司は俺に失敗から回復するための指導をしてくれているのだろう。」「冷静に理解すれば失敗の原因と対策のヒントは上司の指導の中に確かにある。」「これらを詳細に調べてもっと真剣に検討して改善策を具体的に追及してみよう。」と思うことができるようになります。こうなれば、あとは行動するだけです。行動すれば(E)が必ずもたらされます。
簡単でしょう!試してみる価値はありますよ。資本金は不要ですからね。
そして、本人がその気になって行動を起こし頑張り始めたら、周囲の方々からの応援が極めて大切です。応援の力は凄いですよ。その声が聞こえたら、苦しさは一瞬なくなり、気力が湧いてきますからね。甲子園やバスケットWCPを見ていたならはっきりと理解できるはずです。
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