大人の当然の使命(その2)

 最近、パワハラ・セクハラや情報漏洩等に関する海上自衛隊の不祥事関のニュースをよく耳目にします。『伝統墨守、唯我独尊』と言われる海上自衛隊の古き悪しき体質が残っているからでしょうが、特別職公務員としての使命感や倫理観について疑問視されても仕方がないことです。

 一方、小学校から高校までの所謂学校教職員の不祥事は毎週数件という高い頻度で紹介されていることをご存知でしょうか。ネットでは、「教員の不祥事」と題したページが存在するほどですので、検索すればすぐに目にすることができます。

 これらの不祥事に対して、その原因や対策を紹介する教育委員会の論考はたくさんありますが、少々、首をかしげたくなるようなものもありますので、よく検討されていると思われる某県の教育委員会が『不祥事防止研修プログラム』のために作成した『不祥事防止研修のアウトライン』を切り貼りで申し訳ないのですが紹介させていただきながら、考えてみたいと思います。

 この『不祥事防止研修プログラム』の研修の目的は、教職員一人一人が、自己及び周囲の職員が起こし得る不祥事を自分事として捉え、法令等のルールや自らの倫理観に基づき判断し、適切に行動できるようにすることであり、

 その研修の目標は、①教職員としての仕事に対する誇りを高める。自らの仕事に対する誇りを高めることで、教職員という職に求められる倫理観を醸成し、日常から、全体の奉仕者である公務員として相応しい行動ができるようにする。) ②当事者意識を持つ。(「自分も不祥事を起こし得る」という意識と、「自分の職場から不祥事を起こさせな い」という意識を醸成し、不祥事防止に向けた具体的な行動ができるようにする。)③不祥事防止に必要な知識を得る。(不祥事に関する知識を得ることで、不祥事を「しない」「させない」ために適切な行動ができるようにする。)

 そして、研修の内容は、(1)教職員としての仕事に対する使命や誇りを再認識させる内容コンプライアンスの意味について学び、自らの仕事に対する使命感や誇りが不祥事防止に強く関係することを知った上で、改めて考えるきっかけとする。)(2)誰にでも不祥事が起こり得ることについての認識を深める内容(不祥事に対する当事者意識を醸成するため、「人は誰もが弱いものであると理解すること」「自己を客観視すること」「学校という職場の特徴を理解すること」を通じて、誰にでも不祥事が起こり得ることについての認識を深める。)(3)不祥事を起こさないために必要な知識を身に付ける内容(「不祥事と呼ばれる行為にはどのような特徴があるのか」「何が不祥事に当たるのか」「不祥事を起こさないため何に注意すべきか」について知識を得ることで、当事者意識を高めつつ、適切な行動ができるようにする。)というものです。

 更に、『不祥事防止研修アウトライン』の構成として、Ⅰ 不祥事防止全般編(以下項目のみ) 1 「コンプライアンス」は法令遵守? 2 自らの仕事に対する誇りが不祥事を防ぐ  3 不祥事を自分事として捉える ~2つの当事者意識~  4 どうして人は、不祥事を起こすのか  5 認知の歪みと行為の正当化  6 依存症と不祥事の危ない関係  7 学校という特別な職場環境 ~教職員と児童生徒の関係~ 8 不祥事は時代によって変化する  9 不祥事の発覚と懲戒処分、その影響   10 全員でつくる、不祥事を起こさせない職場  Ⅱ 個別の不祥事編(以下略)となっています。

 しかしながら、上記にあるアンダーライン斜文字の内容を辿るとある種の違和感を覚えるのです。詳しいことを知りたい方は検索して読んでいただきたいのですが、愁伯は、『不祥事防止研修プログラム』とそのために作成した『不祥事防止研修のアウトライン』に共通して流れる最も大切な主題に対する踏み込みの弱さを感じてしまうのです。

 『不祥事防止研修のアウトライン』では、公立学校の教職員の服務の根本基準の準拠として、地方公務員法第30条すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」及び教育公務員に求められる姿勢の準拠として、教育基本法第9条「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。」とあることを紹介し、自らの仕事に対する誇りが不祥事を防ぐためには、「最後の一線で自分の不適切な行為を止める、また、勇気を出して他の職員の不適切な行為を止める、その場面で一番大切なのは、自分の仕事に対する使命感や誇りではないでしょうか。」と提言し、その後は、具体的な内容が紹介されるであろうと思っていたにも関わらず、「□ あなたの考える教職員の仕事の使命は何ですか □自分の仕事のどのようなところに誇りを感じますか □なぜ、教職員になりたいと思ったのですか」と問いかけて自らに再認識させるよう指導することで終了しています。

 如何思われたでしょうか。そうなのです。一番大切な主題に対する対策は現場に丸投げしているということです。「人それぞれに理想や考え方は違っているから規定できるものではない。」とでもいいたいのでしょうが、法的にも倫理的にも使命と誇りが必要というのであるならば、何故、最低限自信をもって矜持としてよい使命感と誇りの由縁を与えてあげないのでしょうか。最低限の由縁が解れば、各教職員はそれぞれの最低限の使命感と誇りを持つことができるのです。あとは、各教職員の研鑽次第です。

 支払われる高額な給与にも関わらず、最近教職員希望者が減少している理由は、業務の多忙さ、取らされる責任の多様性、こういう不祥事の多さにあるとも思いますが、本質は、使命完遂に必要な使命感と誇りの由縁が漠然としていて教職員が胸を張って言明することができないからではないのでしょうか。

 では、何故、教育委員会はそれらの由縁を与えてあげることができないのでしょうか。それは、東京裁判史観を引きずって、大東亜戦争までの日本をすべて否定するとともにその反日的な教育をこれまで続けてきたからです。就中、日教組の活動をしてきた教員あるいは支援してきた教員は、地方公務員法第30条及び教育基本法第9条に反してきたわけですから、言うことができない、否、言う資格さえないのです。

 私達大人には、有史2700年、縄文時代からでは数万年に亘り、一つの国体で繋いできた日本というものを後世に繋ぐ大河の一滴として生きていくこと、そして、その後継者を育て彼らにそのための基盤を付与できることに、確固とした使命感と誇りの由縁が存在するのです。教職員ならば、普通の大人達以上に矜持とできるものがあるはずです。

 ですから、教育委員会は、教職員の問題の本質的な解決に正面から真剣な検討を深めて各教員に最小限の使命感と誇りを与えるとともに、日教組を是とする教職員に教育勅語や「いいかげんにしろ日教組(皇學館大學教授松浦光修教授著)」等を参考にして反日・侮日・無日教育を速やかに是正させ、子供達に誇りある愛すべき日本を繋いでゆけるような基盤を付与する知識教育と心の教育を行わせてほしいものです。

 これらがなされれば、教職員の不祥事はもちろん子供たちのいじめの問題も解消されるのです。

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