私の周囲の父母の世代の方々は随分とご高齢になっているため、皆様お体に不具合がいろいろなところで出ており、定期的あるいは緊急的に病院へお連れすることがしばしばあります。
懇意にしていただいている知人に伺ったお話ですが、先日、その知人の母様が転倒しそうになり支えようとしてついた左手の手首を骨折したため、急ぎ掛かり付けの医師に受診し、その後医大の病院を紹介されて、手術をされたそうですが、その時の病院間の連携が大変スムーズで感心させられたというのです。
伺ったところによりますと、GW間の5月1日の午後4時頃に知人の母様が部屋でベッドから立ち上がろうとした際、立ち眩みがして後方に尻餅をつきそうになったので尻餅に伴う脊髄の圧迫骨折を回避するため両手をついたところ、以前骨折した右手首をかばったためか左手に体重がかかってしまい、左手首に強烈な痛みと晴れが生じたということです。
このため、奥様と二人で抱えるようにして急ぎ掛かりつけの整形外科医を受診したのですが、骨折をして老人が痛みを必死にこらえていたのにも関わらず普通に順番を待たされたので、はじめのうちは少々受付の方たちに憤慨したそうです。だから、「骨折した老人が痛みを必死に堪えているので早く見てほしい。」と受付に催促したところ、やっと気が付いた受付の方が「確認してきます。」と言って診察室に行き戻ってきて「次の番です。」と返答されたそうです。ですから、「現場で人々と直接対峙して治療を行う病院までくだらないお役所仕事のような対応をするのか。」と少々不満に思いながら、呼ばれて診察室に向かったそうです。
診察室では、顔馴染みの先生がおられ、すぐにレントゲンの指示をされ、レントゲン室で何枚か撮影されたのち、「左手首の遠端が外側に曲がったように折れているので、このまま伸ばしてギブスによる固定処置にするのか、手術をして金属を入れて固定処置するのか、二つの方法があります。ご高齢でもあるためどちらでもよいが、手術となれば医大病院ですることになるので、これから医大病院に行きますか。」と問われたそうです。知人は『こんな時間に対応してもらえるはずないだろうに、』と思いながらも、「いまからですか。こんな時間に大丈夫ですか。でももし、対応してもらえるなら伺いたいです。」と回答したそうです。
すると、「先生は確認しよう。」と言いながら、母様の左手指を引っ張りながら圧迫固定を始めていたところ、看護婦さんから渡された電話の向こうの方に向かって、「左橈骨遠端位骨折をした御高齢の患者さんがいるので、これから見ていただけないか。」等と要件を伝え、相手の医師の了解を取り付け、知人に「時間が遅いけど、T島先生が見てくれるので、これから医大病院へいってください。すぐに、紹介状を書きますのでちょっと待っていてください。」と言ってくれたそうです。
知人は、「えっ、もう決まったのか。」と思いつつ、紹介状を待っている間、『先生が圧迫固定の応急処置をしている間に、看護師さんが医大病院に電話をしてT島先生を見つけ、「I整形外科I医師から御相談がある。」と伝えて、つながったその電話をI医師に渡したということなのだ。』ととっても感心させられたということでした。
その後、会計を済ませ、紹介状とレントゲンの映像が映ったCDを受け取って、すぐに医大病院に向かったということですが、医大病院の総合案内についたときは、午後6時頃で既に閉所するところだったようですが、「伺っております。これをもってすぐに内科受付にいってください。」と言われ、内科の受付に行くと、「こちらはもう終了しますので、緊急外来で手続きをしてください。」と言われ、「まさかのたらい回しか」と思い、「I整形外科からT先生に紹介が入っているはずなのですが、」と反論したところ、「T先生もそちらに伺いますので、緊急外来で手続きを済ませて待っていてください。」と強く誘導され、緊急外来受付に行ったそうです。すると、その受付の人たちは談笑しながら、自分たちのペースで業務を処理している様子でなかなかT先生も来ないので、「彼女たちはしっかり仕事をしているのか。やはり、大きな病院は役所と同じだったのだ。」とまた残念な気持ちになったそうです。
しばらくして、T先生の助手の先生が来られて、T先生の診察室に案内され、T先生から一通りの質問を受けた後、今後の対応に関するオプションを掛かりつけ整形外科のI先生と同じように告げられたということです。そして、MRI等の撮影を指示され、撮影後撮影結果とともに先生と相談して手術をお願いするにしたそうです。すると、日時についての先生からの提示は、「手術は私が執刀します。明日2日午後かGW後の8日の午後がありますが、GW中我慢するよりも手術をした方が皆さんにとっても都合が良いでしょう。」ということで、すぐに、PCR等の検査を実施し、陰性だと判明したためその日から入院となったそうです。その後、病棟に向かい、母様を預けた後、看護師さんから入院にための手続きや必要品の説明を丁寧に行け自宅に戻ったそうです。翌日2日は、説明を受けた日用品、飲料水及、テレビカード等を病棟まで預けに行き、看護師さんに「よろしくお願いします。」と頭を下げ心の底からお願いしたそうです。夕刻になり、T先生から「予定通り手術は行われ、予定通り問題なく終わりましたので、8日に退院の予定です。」という電話があったそうです。
知人は、いろいろと思うことがあったが医大病院のT先生とのお話の後の展開の速さにつくづくと感心し感謝したということでした。
患者さんの状況に直接向き合うことがない方々は少々残念な対応をされることもあるようですが、患者さんと現場で直接関わってくださる今時の医師や看護師さんは使命感が大変充実していてその活躍の姿はとても清々しく心地よいものですね。
やはり、やはり最近の若者は素晴らしいのです。
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