最近の若い人は素晴らしい!(その10)

 愁伯は、中年健康診断時に喘息と診断されて以来定期通院をしています。当時は自覚があまりなく仕事も多忙だったことから2~3か月に1回程度だったのですが、その後アレルギー症状を自覚するようになり終には副鼻腔炎の手術をしたことそして生活習慣病対策の薬が必要になったことから、最近はほぼ毎月定期通院をしています。

 現在通院している呼吸器科内科〇Kクリニックの先生、看護師、事務員さんの皆さんは明るく優しくて知識技能の高い方々ばかりです。二十数年に及ぶ単身赴任生活から自宅に戻ってきて直ぐに信頼できる呼吸器科医院を探し出すことに気を使いましたが、今から2年ほど前、自宅に戻ってきたから8年後に、漸く新しく開業された〇Kクリニックを見つけ、信頼できる掛かり付け医とすることができました。それから、アレルギー及び呼吸器科の処置並びに内科の罹患に関する処置については、ずっとこの〇Kクリニックにお願いしています。

 近頃、コロナが落ち着いてきたとは言え、インフルエンザをはじめ様々な感染病が流行しているためか〇Kクリニックは大忙しの状態で、正に先生が走り回る師走の状況が続いているのですが、そんな折の先月の通院時、愁伯がちょっとした指導を事務員さんに対してしてしまうという案件が起きてしまいました。

 その日も、看護師さんによる事前の検査や観察に続き先生の丁寧な診察を受けた後に待合室で会計を待っていたのですが、なかなか名前が呼ばれなかったのです。40分くらい待ったところで事務員さんのデスクにはカルテがすべて片付けられ談笑していることに気づき、事務員さんの前に行って、「いつになったら名前を呼んでいただけるのですか?」と尋ねたところ、事務員さんは、私の名前を尋ねた後に「直ぐに確認します。もう少しお待ちください。」と応えて、慌ただしく看護師さんたちにも確認してカルテを探し出し、漸く会計をしてくれました。この間、ほぼ1時間という大切な時間を浪費することとなったのです。

 『人間にとって大切なものは、愛を除くとしたら、1番が命、2番は時間ですよ。』と思っている愁伯としては、その観点から普通に注意をしてもよかったのですが、いつも大変よくしていただいている方々に対して言うべきことではないと思いとどまったところ、かつて現役だった頃の記憶が思い出されました。

 それは、『組織は、達成すべき目標に向かっている時、皆は努力を惜しまず困難も乗り越えていくものだが、その目標を達成し名声を得るとその成功体験からそれまでの努力が一番正しかったという過信が起きやすく、気付かないままでいると慢心や停滞が生じ、見直しや反省そして更なる目標の再設定を行わずに放置しておくと組織は名声を失うどころか腐りはじめやがては崩壊する。』というものです。そこで、私は、事務員さんに「これでいいと思ってしまうと慢心が生まれるから気を付けてね。でないと、このクリニックや先生たちの評判を下げてしまうことになるからね。」というちょっとした指導をしたのでした。

 そして、一ヶ月が過ぎて、先ほどのことは全くの忘却の彼方にしたまま、いつもの定期通院で〇Kクリニックを尋ねました。あいにくの大雨のためか待合室には珍しく人影があまり見えず、直ぐにいつもの看護師さんから検査室に呼ばれました。すると、「先日は大変ごめんなさい。会計でずいぶん待たされたでしょう。申し訳ありませんでした。私たちの手違いでカルテが一時期行方不明になっていました。」とお詫びを言われたのです。私は、『そうだった。怒っていたように思われていたのかな?』と思い出し、「いやいや。全く怒ってなんかいませんよ。爺だから、ついつい口にしてしまうのです。」と応答しました。それに対して、看護師さん曰く、「優しい愁伯さんが口にされたのだから大変なことだと思っていますよ。反対に愁伯さんでよかった。」と。

 続いて、先生から診察室に呼ばれたのですが、そこでも最初に先生から「先日は大変失礼しました。あの後自分もそれを聞いて残念に思い、忙しくてもお互いに注意しながら、一つ一つ丁寧に整理しながら仕事をするように話しました。本当に申し訳ありませんでした。」とお詫びを口にされたのです。私は、「いやいや爺の独り言です。」といいながら、その時、思い出した理由をお話ししました。先生は、「そうですね。うっかりは、うまくいっている時に出やすいから注意しないといけませんね。」と頷いてくださいました。

 そこで私は、『このクリニックはこの先生や看護師さんたちがおられる限り流行り続けるでしょう。』、そして、『ここを掛かり付け医とした私の感は正しかった。』ということを確信しました。 会計をした時の事務員さんたちの顔色はいつもより以上に清々しく感じ、ここでも、『我国の未来に一筋の光明が見えた気がする。』と嬉しく温かい気持ちになりました。

 やはり、最近の若い人は素晴らしいのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました